家庭菜園をあきらめないために。高齢者に必要な「不整地歩行」を鍛えましょう

query_builder 2026/07/10

こんにちは。幕別町で自費リハビリ「トトノイ」を運営しております。

今回は、家庭菜園を続けたい高齢者の方・そのご家族に向けて、畑仕事に欠かせない「不整地歩行」についてお伝えします。

「畑に出るのが毎日の楽しみ」「自分で育てた野菜を食べるのが生きがい」——十勝エリアでは、家庭菜園を長年続けてきた方がたくさんいます。しかし「最近、畑の中を歩くのが怖くなってきた」「足元がぐらついてうまく動けない」という声も多く聞かれます。家庭菜園を安全に続けるために、今から体を整えておきましょう。

家庭菜園の「不整地歩行」はなぜ難しいのか

家庭菜園の畑は、平らなアスファルトとはまったく異なる環境です。

土の地面はやわらかく、足を踏み込むたびに沈み込みます。雨の後は泥でぬかるみ、乾燥すると土がひび割れてデコボコになります。畝(うね)をまたぐたびに段差が生じ、石や根っこが足元に潜んでいることもあります。水やりのホースや農具が地面に置かれていることも多く、つまずきのリスクが随所に潜んでいます。

こうした「不整地」を安全に歩くためには、平地を歩く以上の筋力・バランス感覚・足首の柔軟性が必要です。特に高齢になると、地面の傾きや柔らかさへの対応が遅くなり、ちょっとした変化でバランスを崩しやすくなります。

「畑の中で転んでから、怖くて出られなくなった」——そういうお話をよく耳にします。畑での転倒は、骨折などの重傷につながりやすく、その後の生活を大きく変えてしまうことがあります。

不整地歩行に必要な3つの能力

① 足首の柔軟性と筋力

不整地では、足を踏み込むたびに地面の角度が変わります。足首がその変化に対応して微妙に角度を調整することで、転倒を防いでいます。足首が硬くなっていたり、足首周りの筋力が低下していたりすると、この調整がうまくできなくなります。

② バランス感覚(固有感覚)

地面の柔らかさや傾きを足裏で感じ取り、瞬時に体のバランスを調整する能力です。加齢とともに足裏の感覚が鈍くなると、地面の変化への反応が遅れ、ふらつきやすくなります。裸足や薄い靴底の靴で歩くことで足裏への刺激が増え、この感覚を維持しやすくなります。

③ 股関節・膝の筋力

畝をまたぐ・しゃがんで作業する・中腰で草むしりをするといった動作には、股関節と膝の十分な筋力が必要です。これらの筋力が落ちると、動作がぎこちなくなり、バランスを崩しやすくなります。また、筋力が弱いと疲れやすくなり、疲労による転倒リスクも高まります。

家庭菜園を続けるための訓練

● 足首回し・足首ストレッチ

椅子に座った状態で、足首をゆっくり大きく回します。右回り・左回りそれぞれ10回ずつ。次に、足首を上下にゆっくり動かします(つま先を上げる・下げるを10回)。畑に出る前のウォームアップとして習慣化しましょう。足首の柔軟性を保つことで、不整地への対応力が上がります。

● タオルを使った足裏トレーニング

床にタオルを広げ、足の指でタオルをつかんで手前に引き寄せます。足裏と足の指の筋力を鍛えるこの訓練は、地面をしっかりつかむ力を高め、不整地での安定感につながります。テレビを見ながらでもできる手軽さが魅力です。

● 段差またぎ練習

自宅の玄関の段差や、低い踏み台を使って、足を高く上げてまたぐ練習をします。畝をまたぐ動作に直結する訓練です。手すりや壁に手を添えながら安全に行いましょう。慣れてきたら、片足を上げた状態で3秒キープする「片足立ち」もプラスすると効果的です。

● 不安定面でのバランス練習

クッションや折りたたんだバスタオルの上に立つ練習は、不整地に近い不安定な環境でのバランス感覚を鍛えます。壁や椅子に手を添えながら、左右30秒ずつ。足裏への刺激が増え、固有感覚の維持・向上に効果的です。

● スクワット(畝またぎ・しゃがみ動作の強化)

椅子の前に立ち、ゆっくりお尻を椅子に近づけるようにしゃがみ、すぐ立ち上がります。完全に座り切らないことがポイントです。10回3セット。股関節・膝・太ももの筋力を総合的に鍛え、畑仕事のあらゆる動作の基盤を作ります。

家庭菜園を安全にするための環境アドバイス

通路を確保することが最優先です。畑の中に歩きやすい通路を設け、野菜や道具が通路にはみ出さないよう整理しましょう。通路に板や踏み石を敷くことで、ぬかるみを避けて歩きやすくなります。

長靴の選び方も重要です。底が厚くてグリップ力のある長靴を選びましょう。かかとまでしっかり覆われていて、足首をある程度サポートできるものが理想です。軽量な素材のものは脱げやすいため注意が必要です。

農具は立って使えるものを選ぶことも有効です。長柄の農具を使うことで、中腰・しゃがみ込みの動作を減らせます。膝をついて作業する際は、園芸用のひざ当てパッドを活用すると立ち上がりが楽になります。

作業時間を短くこまめに休む習慣もつけましょう。疲れると注意力が落ち、転倒リスクが高まります。「30分作業したら休憩する」というルールを決めておくと安心です。

「畑に出続けること」が体と心を元気にする

家庭菜園は、ただの趣味ではありません。土に触れる・体を動かす・季節を感じる・収穫の喜びがある——これらすべてが、体と心の健康を支えています。

認知症予防・筋力維持・気分の安定など、家庭菜園がもたらす健康効果は科学的にも注目されています。「畑に出続けること」そのものが、最高のリハビリになっているのです。

「最近、畑が怖くなってきた」「親に畑をやめさせるべきか悩んでいる」そう感じたときは、やめさせるのではなく、安全に続けられる体と環境を整えることを考えてみてください。

自費リハビリ「トトノイ」では、家庭菜園を続けたいという目標に向けて、不整地歩行の改善・筋力訓練・バランス訓練をご自宅への訪問リハビリで提供しています。実際の畑の環境を確認しながら、その方に合ったアドバイスをお伝えします。

幕別町を中心に訪問対応していますので、お気軽にご相談ください。


----------------------------------------------------------------------

自費リハビリ トトノイ

住所:北海道中川郡幕別町

電話番号:080-2227-0195

----------------------------------------------------------------------
aun30 (1)